
数学
数学は学習に時間が掛かるぶん、一度付けてしまった学力はなかなか下がりにくく、受験において大きな戦力になります。
そのため、数学をいかに自分のものとしてゆくかが、1年間の学習のベースになるといっても過言ではありません。以下は、僕が使ってためになった参考書と、それについてのちょっとしたコラムとなっています。
カルキュール
高3の秋まで全く勉強をしていなかったため学力は校内最下位に近く、案の定京都大学物理工学科(センターさえ点が足りず、東大は受験さえできなかった)に不合格となった僕は、当たり前に浪人生となったわけですが、その余りに悲惨な学力の穴埋めに使った参考書がこれでした。
浪人生や受験間近の受験生は、数学のおおよそのところは分かっているはずなので、チャート式をはじめからやるというのは、余りコスパの良い選択ではありません。その点、このカルキュールという参考書は、数学全分野の計算問題が網羅されており、これをひと通り解いておくと自分の分かっていないところ、弱点を把握できるので、買って損はない参考書だと思います。
またこの参考書はセンター対策としても非常に重宝します。センター数学に関しては多分これ以外やる必要はないです。
・使い方
この参考書が主に役立つのは、計算力の強化(これは本当に大事!!)と、基本事項の確認です。印がついているところだけでも良いので、とりあえず一周しましょう。この時、時間を測ること。受験数学において、解く速さは圧倒的に重要です。(僕は遅くて苦労した)自分の知識があやふやなところ(これが意外と多いんですよね(僕は、ですけども))を見つけたら、チャートに返って復習し、もう一度解いてみましょう。すんなり理解できると思います。(これが愉しい)
・センター試験について
先程も書いた通り、僕は解くのが遅くて苦労しました。それで、問題を高速で解くためにいくつか気付いたことをまとめておきます。
・字を書く速さを上げる
これが思った以上に意味を持ちます。人間、頭の中だけで考えられることには限界があるし、センター試験は長丁場ですから、途中計算なんかは紙面上で行うこととなります。ですから、実のところ思考速度の律速段階は、紙面に文字を書く速さだったりするのです。是非練習してみましょう。
・例題をたくさん知っておく
センター試験に考える時間なんてありません。あんなもん勉学でもなんでもなくただのアスレチックです。ですから、身体が瞬時に反応できるよう、問題の系統とその解き方を頭の中に入れておくべきです。この辺については、チャート式の項で。
チャート式
言わずと知れた王道の網羅式参考書。個人的には、青が良いです。僕の高校時代の成績はそれはもう酷いものでしたが、一度だけ、青チャートの行列の項目を二週間ほど掛けて全問解いた事があり、その時だけは校内でもそこそこ上位に入りました。(担任に驚かれた(割と酷い))その時の僕は、「あ、勉強すればなんとかなるじゃん」と、驕り高ぶってそのまま受験前まで受験勉強を後回しにしてしまったので、まあ馬鹿だったの一言しか無いわけですが、ここで重要なのは灘高の一般的学生のレベルになら、チャート式しっかりやれば到達できるということです。(理三受けてゆくヤバ目の人達は置いといて)
・使い方
チャート式に手を出すなら、じっくり解くことです。急いでやってもあんまり効果がない印象。まずは例題で解き方を学び、その後例題に挑戦するというオーソドックスなやり方で良いと思います。この時、ちょっと偏執狂的になるのがポイント。アレ、もしかしてこの問題今じゃ解けないんじゃないか、とか、とにかく不安感じてください。勉強すると思います。
実践的な問題集
この辺やりました。東大受けるのなら、東大の問題形式にそった問題集で、そのアプローチの仕方を学ぶのが良いです。これらを解くとき注意すべきことは、まず時間を測ること(まあこれは慣れてからでいいかな)、そして、どのように解くかということを”言語的に”意識しながら解くことです。この問題はどういうアプローチが可能か、そのためにはどこが明らかにされるべきか、ということをブツブツ唱えながら解くことをおすすめします。言語というものは点と直線で結ばれる論理構造をしているので、入試問題のような、解く道筋というものが想定された問題に対しては大きな威力を持ちます。(研究なんかではもっと直感的な能力がいるのかも知れませんが)ですから、問題をただ眺めてボーっとするくらいなら、思考を言葉に落としこんで、問題の本質的な部分を明確に意識することに慣れてください。(その練習のためには京大の数学が良いと思います。(処理力よりも論理的発想がものをいう問題が多いので))
こういった、問題へのアプローチの仕方に関しては、次の「いかにして問題を解くか」という本が詳しいです。(お世話になりました)
テレンス・タオの書いた「数学オリンピックチャンピオンの美しい解き方」なんかも、モチベーションの維持に役立つかもしれない。
大学への数学
一年間暇ならやると良いと思います。まあ月刊のものより、特集号の「新数学スタンダード演習」とかのが役に立つかな。結構技巧的な解き方とかたくさん載っているし。「新数学演習」は鬼のように難しいので余りおすすめしない。